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複数証券会社を使う理由
今回は、リスク管理について別な面から一提言


リスク分散は、ポートフォリオだけの話ではありません。ネット社会では、システム障害というリスクもあるのです。
デリバティブ取引については、証券会社の人間に知識の欠けている面があり、このあたりから問題は派生しているようです。
たとえば、私が体験したE*トレード証券での冗談みたいな本当の話。

この証券会社は、2004年3月から225先物・オプションに参入した「新入り」。
プログラマーは、自分のシステムに、「バグ」がないものか不安なものです。
「とくに最初のリリースに気をつけろ!」は、常識。
明日は、あなたのポジションもロックされるかも。他人事ではない。本当にあった怖い話。



昔、「ちびまるこ」ちゃんというアニメで、顔に縦線が走るシーンがありました。が、まさに、

システムだけでなく、
あなた自身も固まりますよ。。

私は数億円程度のポジション・サイズでも平静に平常心でトレードしますが、まったくポジションをさわれないこの状態は異質の恐怖。
E*トレード証券は、システム開発のコストを安くあげるためにトレーダーズ証券のシステムをもとに自社仕様にしました。
ちなみに、トレーダーズ証券では、余剰金がなくなれば、それ以上の注文をネットでは、受けつけないようにプログラミングされています。 決済注文をしたければ、電話で受けつけるというやり方です。(プログラミングをたしなむ者として、そして、デリバティブを生業とする者として、どこが難しいのか。なぜ、そうしているのか、理解はしますが。。。)
ところが、E*トレード証券は、先物・オプションの電話注文は受けつけません。E*トレード証券の人間が、客のポジションをいじれないそうです。
つまり、非常に怖いことが起こりうるのです。例えば、左記ケース。維持しなければならない証拠金は1989万円。
新たに建て玉するには、必要証拠金2320万円を超えている部分で建て玉が可能というケース。
つまり、この場合、受け入れ証拠金2400万円から拘束金額50万円を引いた2350万円と、必要証拠金2320万円の差である30万円の新規建て余力があるわけです。
この先物・オプション建て余力はリアルタイムで変動します。そして、ここに世にも不思議な現象が起こることになるのです。
この新規で建てる際の余力である「先物・オプション建て余力」が0になった瞬間から、一切の注文を受けつけなくなるのです。「建て余力の範囲内でお願いします。」という趣旨のメッセージが出てきます。

今持っているポジションの決済注文ができないのです。。1枚も手仕舞えない。


 さて、E*トレードのフリーダイヤルに電話しても、なかなかつながりません。(なんといっても現物株の何十万という素人客をかかえている、そのコールセンターです。)

もともとのシステムを作ったトレーダーズ証券に電話しても、別の証券会社の客のポジションをいじることはできません。関係ありません。E*トレードに言ってくださいとのこと。確かに。。

維持証拠金を割れたら、その翌々日に強制決済。それまで待つか。
あるいは、相場つきによって、先物・オプション建て余力が1円でも回復した瞬間に、注文をいれておく。そう、たとえば、前もってストップ・ロス注文を逆指し値でいれておくという対処をするしかないのです。(←これ、私の発見です。ただし、その逆指し値注文は実際にその値段までヒットしなかったので、本当に執行されるかどうか確認したわけではありません。このシステムだと、もしかして、その逆指し値注文も無効になるというバグがあるかも)
 
あなたを破産に導く最大の潜在リスク
 
 ポジションを手仕舞いたくても、維持証拠金を割れるまで、1枚だって手仕舞いさせてくれないシステム。
 それが、いかに理不尽なことなのか理解しない証券会社のレベルが、
それを直そうともしない証券会社そのものが、
日本の個人投資家にとって相場より怖いリスク要因なのです。

 
注)ちなみに、E*トレード証券では、強制決済された場合は、それ以降、先物・オプションのお取引は、「お断り」だそうです。
 大物仕手もゴミ投資家も関係なく、そういう規定のようです。もし、私のポジションが強制決済されていた場合、いったい彼らは今後、何千万の手数料収入を失うことになるのか考えないようです。
 しかし、このような証券会社の商売感覚も、規制緩和前の昔の証券会社の殿様商売体質からすれば、まだ進歩した方。
 (山一の自主廃業の時にも、大変な思いをした少しなつかしいエピソードもあるのですが。)
 
 証券会社そのものが投資家にとっての最大のリスク要因というのは、変わらないのです。
 とにかく、自分がコントロールできることに集中する。自分で対処、対策を講じる。。。
 複数の証券会社、金融機関に分けているのは、予期せぬ「まさか」に備えるリスク管理でもあるのです。

捕捉1)たとえば先日2004年7月2日前場、まったく先物・オプション画面にログインできない(もちろん注文できない)システム障害の状態がありました。
どんな大きなポジションをとっていようと、どんな相場変動があろうと、一切注文をうけつけず、そして、そのシステム障害のせいで、あなたが破産してもそれはあなたの自己責任なのです。証券会社のシステムを信用しすぎていたというあなたのリスク管理の怠慢ということになります。E*トレードに限らず、システム障害はおこるものです。

捕捉2)2004年8月より、IPOチャレンジポイントのルールが変更となり、これまでの9ポイント上限が撤廃されました。メインは、海外ブローカーで、そのシステム障害対策の補助として、IPOチャレンジ用に遊ばせているお金を、いざという時に、先物・オプション証拠金に移すというやり方で、その後もE*トレードとは適度に距離をおいてつきあっています。

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岡本治郎

プロフィール

青山学院大学大学院法学研究科ビジネス法務専攻修了。修士(ビジネスロー)。

日本銀行・金融広報中央委員会の平成20年度通信講座「くらしに身近な金融講座」の改訂を依頼される。

会社役員。


資格など

日本証券業協会会員
内部管理責任者資格。

実用英語技能検定準一級。

趣味は、サイクリング。


政治は芸術だ
---参考資料---

自治体職員平均給与月額番付

自治体の公債費負担率

フューチャーセンターとは

川崎市会議員の報酬

市区町村長の給料

ポストシステム思考

幸福の定量化



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