ためになるライブラリ

『医学常識はウソだらけ』


九種類の不可欠アミノ酸をどう摂るかがカギ

アミノ酸は、DNAの指令によって、細胞内のタンパク合成装置(リボゾーム)の上に並べられる。たとえば皮膚なら皮膚を作るために必要なたんぱく質の構造に応じて、DNAが体内にあるアミノ酸を順番に呼び出す。DNAが呼び出したアミノ酸が一つでも欠けていると、設計図通りにタンパク質を作ることはできない。したがって、体内には常に20種類のアミノ酸がすべて用意されていなければならない。

20種類のアミノ酸は「可欠アミノ酸」と「不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)」の二つに分けられる。前者は人体が自前で作れるもの。後者は自前で作ることができないから、食品から摂取するしかないもの。この不可欠アミノ酸は、20種類のうち9種類ある。この9種類が不足していると、DNAの呼び出しに完璧に応じることができない。

人体に必要な9種類の不可欠アミノ酸を、人体が求めるのと同じ比率で含んでいるのが、良質タンパクである。100点満点のタンパク質という意味で「プロテインスコア100」と呼んでいる。含んでいるアミノ酸の中身によっては、プロテインスコア80程度のタンパク質もあれば、プロテインスコア50ぐらいしかないタンパク質もある。


タンパク源として卵と大豆、どちらが優秀か

今の日本人の多くは「肉類は控えめにして、大豆からタンパク質を摂ろう」と考えているようだが、大豆のプロテインスコアは、56にすぎない。DNAの要求を満たすことのできるプロテインスコア100の日常食品はしかないのである。なぜ大豆万能主義が世界的に広まったのかというと、そこには経済的理由が存在した。国連のWHOは、卵が大豆よりはるかに優れたタンパク質であることは十分承知していた。だがこの説を広めると、たちどころに卵の供給不足が世界的に起こってしまう。そこで卵とは比較にならないほど大量に生産されている大豆に彼らは目を付けたのである。

シジミも100点満点のタンパク質だが、日常的な食品とは言いにくい。したがって、タンパク質は卵によって摂取するのが望ましい。だが、毎日卵を体重の1000分の1も食べられるものでもなく、脂質なども含まれている為、タンパク質は十分でも今度はカロリーオーバーという問題が生じてしまう。十分なタンパク質を補給するのが、実はきわめて難しいということをわかっていただきたい。「プロテインスコア」を添付。


ガンの真因も「活性酸素」にあり

人間が生きて活動していると、きわめてタチの悪い物質が体内に発生してしまう。この迷惑極まりない物質を「活性酸素」と呼ぶ。老化や病気の元凶である。私たちは常にエネルギーを作っては消費するという作業を繰り返している。そのエネルギーを作る工場がミトコンドリアという小器官だ。ここでブドウ糖や脂肪が燃やされて、エネルギーが作られる。ミトコンドリアは、ブドウ糖や脂肪酸を効率よく燃やすために、大量の酸素を使う。その酸素のうち最低2パーセントが、活性酸素に変身してしまう。

人間の味方だった酸素は、活性酸素に姿をかえたとたんに「電子ドロボー」という悪者になってしまう。酸素の活性とは、酸化力のことであり、鉄が錆びたり、古い油が黒くなるのも酸化力が原因。酸化とは「他の原子や分子から電子を奪い取ること」である。体内のタンパク質や脂質も活性酸素のお蔭で酸化してしまい、変質する。活性酸素は、発生すればかならず電子ドロボーを働くから、それを食い止めることはできない。だた、その悪事が健康に影響を及ぼさないようにすることはできる。DNAやタンパク質が電子を奪われないよう、代わりに活性酸素に電子を差し出す物質を体内に置いておけばいい。その「身代わり役」が、活性酸素の”掃除屋”スカベンジャーである。

活性酸素によって電子を奪われると、その細胞は正常な状態ではなくなる。とはいえ、全部が死んでしまうわけではない。大半は死んでしまうその中から、がん細胞になるものが出てくる。

活性酸素に細胞が攻撃される最初の段階では、ガン抑制遺伝子が働き、DNAが修復されるのでガンにはならない。修復されたガン細胞は、正常の細胞に戻るわけである。しかし、そのうち何段階かの突然変異が続いて、細胞の形も性質も変わり果てた異常な状態となる。これが一人前のガン細胞である。最初に活性酸素の攻撃を受けてから、一人前のガン細胞になるまで、およそ19年から20年かかると言われている。しかも発見された時点で、ガンの数は10億を超えているのが普通だ。医者は盛んに「ガンは早期発見が大切だ」と言うが、20年もたってから発見されるのでは「早期」という言葉がひどく空しく聞こえてしまう。これからの医療では大切なのは「治療」よりも「予防」である。

アミノ酸の質や量が不足していると、遺伝子の指令は実現されない。 つまり良質タンパクが不十分だと、抑制遺伝子の指令通りにアミノ酸が並べられず、必要な抑制タンパクが作られない。そのためフタに隙間が生じ、病気が野放しになってしまう。タンパク質が不足していると、どんな病気になっても不思議はないのである。逆に言えば、抑制タンパクさえきちんと作られるようにしておけば、何も問題はないことになる。ガン遺伝子もかならずガン細胞を作るわけではない。その遺伝子が突然変異を起こして抑制が効かなくなったときに、ガン細胞が増殖し始めるのである。


ガン予防に不可欠なスカベンジャー

要は、ガン遺伝子を抑え込む抑制タンパクが不足しないように気を付けることである。そのためには、まず必要なアミノ酸を含んだ良質タンパク質を十分に摂らなければいけない、そしてタンパク作りの酵素と、そのサポーターとなるビタミンを大量に摂取する。さらに、せっかく作った抑制タンパクが壊されないよう、「電子ドロボー」の活性酸素を退治してくれるスカベンジャーを忘れてはいけないということである。活性酸素は、ミトコンドリアがエネルギーを作るときだけでなく、さまざまな局面で発生する。農薬や添加物を解毒するとき、細菌やウイルスの感染を防ぐために免疫が働くとき、紫外線、X線、放射線などを浴びた時、そしてストレスをうけたときにも、活性酸素は出現する。


末期の肝臓ガンがスカベンジャーで完治

「余命はもって3か月」と言われた人に、三石理論により開発した活性酸素を除去する栄養補完食品と良質のタンパク、ビタミン群を大量に摂ってもらった。すぐに卓効があり、3か月で肝臓の数値が健康人に近いものとなり、6カ月後には職場復帰を果たし、二年後の今日、昔通りの元気な姿で通勤している。


注意すべきは、やはり活性酸素の暗躍

ガンの発生は、ガン遺伝子やガン抑制遺伝子の変異によることが明らかになっている。遺伝子の変異が活性酸素の仕業であることを見直すと、活性酸素こそが発ガン物質の親玉であることがわかる。DNAは細胞の核の内部にあり、保護されている。したがって、核内で活性酸素を発生させるのでなければ、発ガンの犯人であるとは言えない。こうした見地から、発ガン物質とされているものを眺めてみると、ほとんど気にする必要のないものだといえる。発ガン物質と呼ぶのがふさわしいもの、つまり、私たちが警戒しなければいけないものは、たった二つ、免疫抑制剤放射線だけである。免疫抑制剤とは、リンパ球などに作用して体内の異物を認識できないようにさせる薬のことである。たとえば臓器移植手術をした場合、移植された臓器は「異物」だから、拒絶反応が起きてしまう。それを避けるために、免疫抑制剤が使われることになる。生体を守るために備わっている免疫を抑制するのだから、当然いろいろな副作用が生じる。細菌に感染しやすくなるし、骨髄や腎臓に障害を起こすこともある。そして何より、ガンを避けるうえで問題なのは、免疫抑制剤がNK(ナチュラル・キラー)細胞を抑え込んでしまうことだ。天敵がいなくなるのだから、ガンは野放し状態になってしまう。

一方、放射線の危険性は随分前から指摘されてきた。被曝(ひばく)量は積み重ねで増えていくから、レントゲン撮影は一回でも少ない方がいいのである。


他にも、「マーガリンやショートニングはきわめて危険な食品である」、「タンパク質の補給は、昼よりも夜」など、目からうろこの情報がたくさん書かれていますので、興味のある方は一読なさってはいかがでしょうか。


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