”瀧澤勲アジア大洋州局長”って誰がモデルなのだろう?快活で、周囲を明るくさせ、歯に衣着せぬ主張を貫き、毅然とした、度胸のすわった魅力にあふれる外交官。だが、「外交官としてもっとも忌むべき背徳を、意図してやっていた者」として描かれる。
”高遠希恵内閣官房副長官”とは、誰?竹を割ったようにさっぱりした人柄、流麗な文体で、書類さばきは速く、酒もめっぽう強く、喧嘩上手で矛を収めるタイミングを心得た、文武両道の女性.....として描かれる。ネット検索を始めると、こんな記事があった。アジア大洋州局長については、田中均をクリック。高遠希恵の肩書は、内閣官房副長官となっていているけれど、やはり彼女のことでしょう。
まったく違いが分からない程に精巧に作られた偽100ドル札と、正式な100ドル札とは、どう違うのだろうか?しばし考えてしまった。国が資金欲しさにドンドン通貨を発行することは、精巧なこの偽札の発行と同じようなものじゃないのかな。そして、瀧澤アジア大洋州局長も次のように言っている。
「茶道や華道の家元が振り出す免状はまさしくお札のように価値があった。刷れば刷るほど家元の懐は暖かくなる。.......今のドル紙幣もこれと同じことじゃないかな。免状は家元の権威によって、ドルはアメリカという国家の威信によって流通している。ドル紙幣はとっくの昔に金との交感を停止して単なる紙になったはずやないか。それなのに、アメリカはミリタリ・パワーを背景に、なお基軸通貨だと主張し続けている」
現実世界に出回っている北朝鮮製のパーフェクトな偽100ドル札の記事が掲載されていたので、ご参考までに。
1987年ビルマ沖で起きた大韓航空機事件、北朝鮮の工作員金賢姫らが引き起こした爆破テロ事件。日本語を教えたリ・ウネと呼ばれる教師は、日本から拉致された田口八重子さんだったのではないか。当時、北東アジア課長だった瀧澤は韓国に赴いて金賢姫から事情聴衆を行った。だが、当時の報告電には、田口さんを日本から連れ去った犯人に迫る情報はすっぽり抜け落ちていた。
2002年9月17日、現職総理の戦後初めての北朝鮮訪問。瀧澤アジア大洋州局長は、「延辺の男」と呼ばれる人物との極秘ルートを通じて、日朝首脳の直接会談に道を拓いたとされる。しかしながら、予備交渉で核開発や拉致の疑惑がどう扱われたのかはついに明らかにされなかった。すべては、総理、官房長官、アジア大洋州局長のたった三人限りの超極秘事項とされ、外務大臣や事務次官にすら全容は知らされなかった。
日朝の両首脳が会談のテーブルに就こうとする直前の出来事だった。北朝鮮の当局は、拉致被害者の消息について「生存者は5人、死亡者は8人、1人は不明」と通告してきた。高遠は、提示された死亡者リストなるものは、首脳会談向けに急ごしらえされたものに違いないと直感した。亡くなったとされた8人の死亡日時は、いずれも不自然をきわめていたからだ。生存者5人は、その後、祖国日本の土を踏んでいる。この5人を再び北に帰すかどうかをめぐって、官邸内で激しい論争がもちあがった。
「いま残留を決めれば、北朝鮮側と築きあげてきた信頼の糸がぷつんと切れてしまう。一時帰国を前提に五人が日本に来た以上、いったんは北朝鮮に返すべきだ」
こう主張する宥和派。その急先鋒が瀧澤アジア大洋州局長だった。
「拉致は犯罪そのものであり、日本政府の意思として五人を再び北の手に渡さないと言い切るべきです。現状の回復をやり抜く姿勢を貫かなければ、日本を法治国家だと世界の誰も認めなくなってしまう」
頑として譲らない強硬派。なかでも残留を強く主張したのは、高遠希恵官房副長官補だった。
結局、生存者五人は日本に留まることになったのだが、この論争の過程で、高遠は、北朝鮮との重大な密約が埋もれたままだという確信を深めていった。拉致被害者の家族の痛切な気持ちを踏みつけにするように、北朝鮮との交渉を瀧澤がひとり占めしている。しかも、その経緯を一切記録に残そうとしていない。すべては闇のなかに埋もれようとしていた。
地村保志さんについて、北朝鮮拉致事件・極秘事実が書かれている。また、中山参与が辞めた理由もご参考までに。
高遠内閣官房副長官と主人公スティーブンの会話の中で、驚くべきことが書かれている。
高遠:「日米の安全保障問題とは、朝鮮半島の有事と台湾海峡の有事、この二つの危機を想定して、それに備えるためのものなのです。でも、この二つの危機には天と地ほどの違いがある」
「朝鮮半島で軍事衝突が起きても、米中両国は直接戦火を交えるような愚は犯さないでしょう。もはやそこには死活的な国益がかかっていないからです。その一方で、台湾が独立に傾けば、中国の人民解放軍は迷わず台湾海峡を渡ろうとするでしょう。台湾独立を座視するような指導者は誰も政権を維持できないからです。これに対して、アメリカも台湾を防衛するため第七艦隊を差し向けざるをえず、米中は激突することになる」
「中国は来るべき台湾海峡危機でアメリカを牽制し、優位に立つためなら、手元にあるいかなるカードを使うこともためらわないでしょう。台湾海峡に有事が持ち上がった時、日本がアメリカと台湾に加担しないようあらかじめ足枷をはめておく、それが中国の狙いなのです」
スティーブン:「北朝鮮に精巧を極めた偽札を刷らせて、核弾頭を搭載できる巡航ミサイルを持たせる。それによって日本への抑止力とする。.....こうしたシナリオの背後に中国の意志があったということですか。「延辺の男」のカードを切ったのは、隣の大国だと副長官は見ていらっしゃるのですね」
高遠:「工作員はダブル・エージェントだというのは、諜報界の公理と言われています。延辺の男を本当に使っていたのは、北朝鮮ではありません」「今回の一連の出来事では、北朝鮮は北京の単なる駒にすぎませんでした。むろん偽ドルを使った通貨のテロルも先刻承知だったのです。そして、中国は核弾頭を搭載可能な巡航ミサイルが北朝鮮に渡るよう陰に陽に助けたのです。日本へ新たな核のカードを突きつけようとね......。しかも、自分は一切手を汚さずに。日本という国は、いったん核で脅されれば、激しく動揺し中国の言うなりになると考えているのでしょう」
スティーブン:「高遠さん、日本に核カードを突きつけたいなら、中国がウクライナから入手した巡航ミサイルをなぜ北朝鮮に直接渡さないのでしょうか」
高遠:「中国の外交はため息が出るほど老獪だからです」「中国政府は、公式の報道官声明まで出して、ウクライナからの巡航ミサイル導入をきっぱりと否定してみせました。ウクライナ最高検察庁がアメリカに事実を公式に通告したにもかかわらずね。巡航ミサイルを買い付けたことすら否定する国が、信を置いていない北朝鮮に直接、技術供与などするわけがありません」
北朝鮮の拉致事件、偽100ドル札に興味のある方、時間を見つけて一読されることお勧めします。裏ではこんなことが起きていたのです。
≪雑記≫
最近(2013/06)、北朝鮮の拉致事件であらたな事実が判明。日本はスパイ天国だったのです!北朝鮮の工作員たちは、我が国に堂々と上陸し、頻繁にスパイ活動をしていた。また、海上では事故を装って多くの漁師を拉致していた。1962年~1985年の間、頻繁に海上拉致が行われていたらしい。しかも、若者だけを拉致し、年配者は船と共に沈めていたとは!事故で亡くなったと思っていた家族の人たちは、どんな気持ちでこの話を受け止めたのだろう。北朝鮮の指導者は、原発テロで、日本を人の住めない国にしようと画策していた。2011年3.11の原発事故の後、原発テロでも起きたら、どうしようもないと心配したことがあったけれど、やはりそんな不届きなことを考えている国があった。北朝鮮って国は、破綻している。