岡本 治郎   
------------- おかもと じろう  Jiro Okamoto --------------------------------------------- 



                                                               −岡本太郎

 2日目(1月13日) 
ベーシックインカムを地域通貨で実現 演説論旨

「水本位体制による電子地域通貨によりベーシックインカムを実現」

 首長の勤めは、市民が幸せな人生を過ごせる「しくみ」づくりである。
 今日は、地域通貨で実現するベーシックインカムについて話す。

 私が政治家として追求しているテーマの一つは、経済格差是正である。
 その有力な手段がBI(ビーアイ)、ベーシックインカムである。
 最終的には、国レベルで、BIが実現されることがゴールである。
 ただ、このような大きな政策は、何段階か段階を経て実現させていかなくてはならない。
 そのグラウンドデザインを話ししていきたい。
 ベーシックインカムというのは、すべての国民に月10万円なりの基本となる収入を国が支給するといういわば人頭税の逆バージョンのようなものである。
 財源など考えなくても良い。 政府発行通貨でまかなえばよいだけの話だ。ただ、あえて財源をあげろと言うなら、

公務員給与を半分にする。
健康保険制度をなくす。
国民年金を廃止する。
所得税制改革

が、まず、あげられる。

現在の税と社会保険料国民負担率は4割にもなる。
貧しい世帯にとって、年金の掛け金、健康保険料の支払いが生活を圧迫しているという現状がある。
給付も老人に厚く、若い世代への給付は薄い。
健康保険料と年金の徴収をやめて、かわりに税でとる。
その税も累進課税をきつくする抜本的改革をする。
あらたな所得税は、

<年収>            所得税税率
150万円までは非課税。
150万〜300万円の部分   10%
300万円〜500万円部分   20%
500万円〜800万円   30%
800万〜1200万円   40%
1200万〜1700万円   50%
1700万〜2300万円   60%
2300万円〜3000万円  70%
3000万円〜         80%

というイメージだ。

 これまで年収800万円の公務員は給与が年400万円になる。ただベ−シックインカムがはいる。なので単身者で520万円になる。 さらに夫婦で共働き子供二人なら、世帯収入は、
400万円x2+120万円x2+60万円x2=1160万円(税制改革後の税引き後収入は1038万円)となる。
 年金掛け金負担と健康保険料負担がなくなり低所得者への税負担も軽くなるので、公務員のように直接給与を減らされる世帯も含め、手取りはむしろ増える世帯が多くなる。
 現在の偏った配分には大いに問題がある。人工知能が人類の知能を超えるシンギュラリティがくるまでにBIを実現すべきである。


日本の公務員の総人件費は国地方あわせて年間26兆余りである。公務員の扶養手当や住宅手当も廃止。給与削減と人員削減で3分の1にすると、18兆近く浮く。
さらに社会保険への国の税による支出は年間45兆円にもなる。年金の積立金145兆円と運用益。
これを徐々にくずして国民全員で分けると、大人年間70万円、子供年間35万円の給付は可能だ。
所得税の累進課税による高額所得者への増税で、残りのBIの財源は余裕でまかなえる。
BIの給付額を増やしたければ、相続税増税、宗教法人への税免除の撤廃、北欧のように消費税率を25%(ただし食料品は軽減税率12%)にするという手もあろう。政府通貨という手を使えば、国民一人あたり13、16、20万円とBIを増やしていくことは可能だ。

現在の官僚主権への対抗。真の主権者の権利という流れは、時代の必然だと思う。官僚からとりあげて、皆で平等に分けるのである。医師というのは実はほとんど官僚といってもよい。国の金で食ってるわけだから。官僚は市民の敵である。
しかし、国民の98%はおろかである。ベーシックインカムがシンギュラリティまでに実現するとは思えない。現状のシステムでは、最大多数の最大幸福を増加させ、社会全体の便益を向上させることができない事態・事案・領域がどんどん増えていくだろう。

そこで、地域通貨による地域限定ベーシックインカムという話がでてくる。
ベーシックインカムを実現しようとすると既得権益層からの大反発が予想される。彼らはもてる資源で精一杯広告して、マスコミなんかに、医療信仰や現状のシステムの優位性を報道と称して広告してくるだろう。
 
 そもそも財源など気にしなくとも金なんてものは、なんぼでもすれる。
 銀行から借金すれば、それで、この世の中にあらたな金がうまれる。
 ただし、その金は、利子をつけて返済する必要がある。
 そこが問題で、いす取りゲームみたいなもので、これでは、限られたパイを奪いあうカニバリズム(共食い)ゲームとなってしまう。
 政府発行通貨をベーシックインカムの財源にすればよいのである。
 それを、ミニチュア版で実現しようというのが電子地域通貨発行によるベーシックインカムの実現である。
 この星は資源にあふれている。人類皆が豊かに暮らすのに十分な資源があるのだ。
 それは、人類の共有財産といってもよいだろう。これを原資にすれば、人々にベーシックインカムを支給することはわけもない。本市を例にとれば、皆の共有の資源、水源があげられる。このすばらしい水を原資にベーシックインカムを実現しようというのだ。
 さらに地域通貨による地域経済の活性化が実現できるのである。古くはドイツのゲゼルが実現した地域通貨は、現在の電子通貨だと簡単に減価する貨幣としてコントロールすることができるので、より地域経済活性化に資することができる。経済活性化などと難しいことを考えなくとも、こう考えてもらえばよい。今回、公約で掲げている公務員給与を削減した分を市民全員に均等に配る。電子地域通貨のポイントで水はもちろん、様々な地域でのサービス、商品、食材を購入できるように電子通貨加盟の店を増やしていく。

 ブロックチェーンによる電子通貨は実用段階にある。
 金本位制の時代は、金(きん)が。次に国家が。さらに今後、テクノロジーや時間がアンカーとなって次代の通貨がでてくるだろう。
 「青い金」と呼ばれる水で、それを地方自治体でやるという実験的な試みである。さらにフロンティアとして、日本中いや世界中に電子地域通貨のプラットフォームを提供する。その利益は、本市の水資源どころの話ではない。金融立国自治体として、本市住民は未来永劫、豊かに暮らすことができるのである。
  
 新たな時代を創造するのは誰か。
 
 




岡本治郎

プロフィール

President of Jiro's Corp.
有)ジャイロスコープ 社長

青山学院大学大学院法学研究科修了。修士(ビジネスロー)

慶應義塾大学大学院システムデザインマネジメント研究科付属システムデザインマネジメント研究所  研究員(2011年より3年)

日本銀行・金融広報中央委員会の平成20年度通信講座『暮らしに身近な金融講座』の改訂を依頼される。

<資格など>
日本証券業協会 会員内部管理責任者資格。
実用英語技能検定準一級。

趣味は将棋、サイクリング。

日吉経済新聞主筆



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