1日目(1月12日)
教育について 演説論旨
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「資本主義の分水嶺を生き抜くインテリジェンス」――ホリスティック教育の重要性
私は1年間に300から600冊ぐらいの本を読む。
私はあまり本を書かないが、読む量は多いかなと思っている。
将棋の羽生さんの本とか、一芸に秀出た人の書いた人生本は、読むとためになる。
昔、私が少林寺拳法をやっていた時に、教わった言葉で
「己こそ己の寄る辺よく整えし己こそまこと得がたき寄る辺かな」というのがある。
結局、頼りになるのは自分だけ。自分を高める以外にないということだ。
資本主義がすすむと、格差がどんどんと拡大して、資本家はどんどんと肥えていく。
今世紀半ばにやってくるシンギュラリティで、労働者はAIに仕事を奪われる。
いきつくところ地獄のような社会が待っているという。
なので、政府が積極的に介入して、格差是正の分配をしなければならない。
(微笑みながら宣誓するように手をあげる。人ごとのように通り過ぎる人たち。聴衆からの拍手などはない。)
今、正規雇用なので安心だと言ってられない環境だ。というのは、いつリストラされてもおかしくない。
インフレがどんどんと進む社会では、雇用がなくなると、とたんに、おいていかれる。
中間層から、一気に貧困におちいるっていうことがおこりやすい。
富裕層がなぜ富裕層なのか。それは、資本所得ゆえだ。
労働所得でいくら中間層だ、安心だといっていても、それは、すぐにひっくりかえる。
少なくとも職を失えば、あるいは定年退職後、とたんに貧困に陥ってしまう危ういポジションなのだ。
中間層で、資本がないわけじゃない。家があるという主張も聞こえてきそうだが、その家は、マイナス価値しかない負債である。311の放射能の問題は永遠に解決することはない。
関東に住宅をもっていて、資産があると思っているのは甘い。人生の幸福にとって、健康が大事で、その観点からいえば、関東にある住宅なんて、まったく価値がない。
では、関東以外にある住宅なら価値があるかというと、東京にある国会図書館や都内の図書館の充実ぶり、インフラの充実度、人口が集まることからくる商品の選択の幅などを考えると、地方の家にも価値があるとは思えない。地方自治体など大方は消滅する人口減少社会において、税だけはしっかりかかってくる家など、マイナス資産である。
ちなみに、マインナイバーの導入は、資産課税への布石である。課税されない真の資産とは何だろう。
本当の資産とは、健康であり、インテリジェンスである。
今世紀は、個人が大きな力をもつ時代。21世紀は、知恵こそが力といえる。
金や腕力じゃない、知恵が金にかわるし、力にもなる。
病気になって病院にいって、医者に助けてくださいといっても、医師という名の暴力団に暴力をふるわれて命を奪われるだけである。腕力よりも強いのは、インテリジェンスだ。
一つ伝えておきたいのは、私は、馬鹿でも幸せに暮らせる社会をめざすべきだというユートピアンではないということ。むしろ、逆である。人口の1%にも満たない真のエリートたる私は、保守、つまり、現状を支持している。
自然を崇拝せぬ不届き者を懲らしめる意味でも、ロックフェラーや国連を支持する。大麻が禁止されるとロックフェラー財閥は、医療を支配しているので、石油系医薬品が売れ儲かる。国連もしょせん政治の場。利権で動いている。
ただ、教育へのアクセス権は保障されるべきである。どんな社会の階層にいる方でも、この時代に賢く生きるための必修の人生マネジメント手法やリテラシーに生涯教育でアクセスできるしくみが必要なのだ。
この120年を見ていても、戦争というのは国内の格差問題のやむにやまれぬ発露。内政の失敗だと思える。日本だけでも国内の格差問題を解消せねば。それを教育でやる。私の人生は世界史の重要な一部だと思っている。
日本の愚かさは挙げだすときりがない。約40兆円の医療費のほぼ大半は無駄であり、すべては医療界の利権者や製薬会社たちに貢いでいるに過ぎない。司法は堕落して三権分立などというものはもともと存在していない。
警察は己が欲とシステム管理のために、裏金作り、捏造を繰り返している。その実態を知れば、ヤクザがかわいい少年聖歌隊にみえてくる。大衆の教育を実質的に担っているマスコミは、あいかわらず、既得権益層の広告、支配者層にとって都合がよくなるように大衆への洗脳を続けている。レベルが低すぎて、逆に面白い。
行政庁とは地方公共団体においては首長のことである。公務員はそれを助ける補助機関の職員なわけで、行政庁との関係でいうと完全な外部関係である。法律はもちろん通達や規則に従うのは当然のはずだが、法律や規則をまもらず犯罪集団となっている。内部者が良心で告発しようものなら集団ストーカーの対象となるだけである。共犯者を増やすことで悪事を隠す組織体質となっている。
それでも、私は現状を全肯定する。
私みたいに皆が知的健康エリートになったらどうなるだろう。医療界の最大の敵は健康である。
年金財政は破綻し、病院や製薬会社は商売あがったり、日本経済にもマイナスとなる。
大衆にみあったシステムに大衆がのっかって動いてもらわないと社会がまわらない。
人間は、それぞれが、知性相応の人生を送る。
タバコ政策をみてわかるではないか。悪にも存在理由がある。
これをいうと選挙にうからないかもしれないが「馬鹿も使いよう」だ。
特定の人の興味・関心を社会全体に貢献させている現状のシステムは高度にバランスがとれている。
もしあなたがタバコ嫌いなら、ただ避けたらいいだけのことだ。
アマルティア・センの潜在能力アプローチを説明するまでもなく、人それぞれ資源を効用にかえる変換能力には差がある。この幸せの変換能力を高める途(みち)を用意してあげたらよい。
教育課程にホリスティック人生論みたいな授業があるとよい。
ホリスティックライフデザイン&マネジメント、健康教育、税教育、金融・経済教育、さらに社会保障教育や主権者教育、法律の知識、とくに要件事実論なんかもスコープにはいる。
デンマークに社会人教育のためのフォルケホイスコーレという学校がある。複雑な環境下での人生全般の意志決定をスピリチュアルも含めアート教育するホリスティック教育が必要だと私は思う。
日本で、学校教育の課程に「人生学」っていうのを導入するなら、私は、その教科書を書くことができる。
若者は、人生の振り方を考えるのに、経験がないにもかかわらず意志決定しないといけない。
かといって年配者がこれからの時代のことをわかっているか。
高校生に人気のある職業に公務員がある。
よく役所の人間とか、一流企業につとめている人間が、自社のことをうちでは、って表現する。
私みたいな社長で、自由な人間からすると、その言い方は、まるで、
「俺って、超大金持ちの大豪邸をもっている大貴族につかえている奴隷なんだぜ。すごいだろう。」 っていっているようにも聞こえる。
マズローの欲求五段階説では、承認の欲求とか自己実現の欲求っていうのがある。それを満たそうと思っても満たせない、いわば、奴隷のような人たちがいる。
歯車のような人間が、これを強引に自分自身でみたそうと思うと、「うちでは」になってしまう。
それはかわいそうな症状である。
たとえば、麻薬を服用して、脳が快感をえていたら、それは幸福なのかという問題とも似てる。
格差構造の中での既得権益層に収まる道をめざすのがよい人生なのか。パイがどんどんせまくなっている中で、市民が、よい人生を送るには、なにを身につけたらよいのか。
人生で本当に価値ある資源とは何か。
自由な時間である。
医者の寿命が短いことはよく知られた事実だ。
金を多く所有していれば幸せになれるとするマスコミ教の幻想は崩れつつある。
よい人生を送るのに健康が基盤である。
アマルティアセンのいうケイパビリティという観点から真にリッチな人生。
幸福な人生とは、どのようなものなのか。
今ある制度と自分とのかかわり、ある意味、制度のゆがみを利用してでも、個人がよい人生を送る、そういうリテラシーが必要なのだ。人生工学といってもいい。学問というのは実学じゃないと意味がない。自分はどう行動するかという自分経営学、人生経営学といってもよい。
この時代に人間の幸せとは何なのか、あるいは、お金と幸せの関係はどうなっているのか。幸福や資産増大の法則とは何なのか。個人にとっても社会にとっても、万人に共通する幸せの形とはどのような形か。
時間こそが人生の本当の希少資源であるというのが、私の主張だ。
そして、その時間を有意義に、つまり人生を幸福に生きるスキルの教育が、必要とされているのである。
そろそろ時間がきたようだ。
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岡本治郎 |
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プロフィール |
President of Jiro's Corp.
有)ジャイロスコープ 社長
青山学院大学大学院法学研究科修了。修士(ビジネスロー)
慶應義塾大学大学院システムデザインマネジメント研究科付属システムデザインマネジメント研究所 研究員(2011年より3年)
日本銀行・金融広報中央委員会の平成20年度通信講座『暮らしに身近な金融講座』の改訂を依頼される。
<資格など>
日本証券業協会 会員内部管理責任者資格。
実用英語技能検定準一級。
趣味は将棋、サイクリング。
日吉経済新聞主筆
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