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叶内理香
税理士
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一日一税!

塵も積もれば山となる!一日ひとつを目標に税金の豆知識を増やしていきましょう!一日一税!


2007年6月分7月分8月分9月分11月分


7月

減価償却か消耗品費か?

少し大きな金額の物(たとえば15万円くらいのパソコンなど)を購入したとき、これは減価償却資産にするのか、それとも消耗品費にするのか迷うことがありますね。
金額に応じて一括で費用にできたり、3年間で均等に費用にしたり、耐用年数により減価償却して少しずつ費用にできたりします。

また、青色申告書を提出する資本金1億円以下の中小企業者(中小企業者に該当する個人事業者を含む)が取得価額30万円未満の減価償却資産(たとえばパソコンなど)を購入した場合は全額をその事業年度の費用とすることができます。平成20年3月31日までに購入すること、費用にできるのは年間300万円までなどのの制限があります。この場合、10万円をこえる資産については償却資産税の対象とされることに注意が必要です。

(07.07.04)

所得税の税率

平成19年分以降の税率がそれまでの4段階から6段階になりました。。これは住民税が一律10%になったことに伴い所得税の税率を変更したことによります。一見増税のようですが、課税所得が1800万円超の人を除けば所得税の税率と住民税の税率を足したものは変更前後で変わりありません。つまり原則税負担は変わらないことになります。ただし、平成18年分と19年分で所得が変わらない場合でも、平成18年分まであった定率減税がなくなり、その分税負担(住民税、所得税とも)は増えることになります。

所得税の税率(カッコ内は住民税(東京都))
課税所得変更後(平成19年分〜)の税率変更前(〜平成18年分)の税率
195万円以下5%(10%)10%(5%)
195万円超330万円以下10%(10%)同上(10%)
330万円超695万円以下20%(10%)20%(同上)
695万円超900万円以下23%(10%)同上(13%)
900万円超1800万円以下33%(10%)30%(同上)
1800万円超40%(10%)37%(同上)

給与所得者(サラリーマン)は19年4月分の給与に対する源泉所得税からこの税率が適用され、1〜3月分については年末調整で調整されることになります。

(07.07.05)

フランチャイズ加盟料など(繰延資産)

フランチャイズ加盟料などは支払いは1回でもその効果が1年以上に及びます。このように、支出した費用でその支出の効果が1年以上に及ぶものを繰延資産といいます。ただし、物品(たとえばパソコン)を購入したというような場合は減価償却資産になりますので、この繰延資産には含まれません。繰延資産は、定められた償却期間で経費にしていきます。次のようなものがあります。

ただし20万円未満の支払は支払の効果が1年以上に及んでも支払時に全額経費とすることができます。

(07.07.10)

夫が亡くなった場合遺族がうけとる年金に税金はかかる?

年金は主に公的なものと私的なものの2つに分けられます。それにより遺族がうける年金(年金受給権)に対する課税は異なってきます。

(07.07.12)

個人事業主の事業税

個人の事業税は個人が行う”事業”に対して課税される地方税です。事業税は事業の種類によって区分され、税率が異なります。


事業税の納税義務者と税率
区分税率事業の種類
第1種事業(37業種)5%物品販売業 保険業 不動産貸付業 駐車場業 印刷業 運送業 料理店業など
第2種事業(3業種)4%畜産業 水産業 薪炭製造業
第3種事業(29業種)5%医業 歯科医業 薬剤師業 弁護士業 税理士業 デザイン業 クリーニング業 美容業など
第3種事業(1業種)3%あんま、マッサージ、指圧、はり、灸、その他医業に類する事業

(07.07.13)

青色申告について(個人)

不動産所得、事業所得、山林所得がある人で、所轄の税務署の承認を受けることにより受けることができる制度で下記に要件、特典があります。提出する申告書が青く、それに添付する損益計算書などの決算書の罫線が青い色をしています。

要件1:その年の3月15日(その年1月16日以降に新たに業務を開始した場合は、その業務を開始した日から2ヶ月以内)までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出する。
要件2:必要な帳簿書類を備え付け、取引を記録する。記帳方法と必要な帳簿書類は下記になります。

正規の簿記年末に貸借対照表と損益計算書を作成できるような正規の簿記(複式簿記)に基づく帳簿
(1)総勘定元帳(2)補助元帳(3)残高試算表(4)仕訳日記帳(5)その他必要な帳簿等

この方法で記帳すると事業所得、事業的規模の不動産所得のある人は65万円の青色申告控除を受けられます。
会計ソフトで作成される帳簿はこれらになります。
簡易帳簿(1)現金出納帳(2)売掛帳(3)買掛帳(4)経費帳(5)固定資産台帳

この方法で記帳すると10万円の青色申告控除を受けられます。
現金式簡易帳簿現金主義の特例を受ける人のみ。
(1)現金出納帳(経費欄を1行加えたもの)(2)固定資産台帳

この方法で記帳すると10万円の青色申告控除を受けられます。

主な特典
特典1:青色申告控除・・・65万円または10万円
特典2:専従者給与・・・事業主と生計を一にしている配偶者や15歳以上の親族で、もっぱらその事業に従事している人に払った給与は原則全額経費となります。 青色事業専従者に関する届け出が必要です。
特典3:純損失の繰越と繰り戻し・・・損失が出た場合、翌年以降3年間にわたって所得から差し引くことができます。また前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰り越しに代えて損失額を前年の所得から差し引き、前年分の所得税の還付を受けることができます。

(07.07.17)

確定申告(医療費控除):子供がアトピー性皮膚炎のため、医師の勧めにより防ダニ布団を購入し使用しています。この費用は医療費控除の対象になりますか?

医療費の支払いは、家事上の経費ですから各種所得の金額の計算上は何ら考慮されません。しかし、これらの支払いにより税金が払えなくなっては困ります。そこでその税負担を調整する目的で医療費控除が設けられています。
医療費控除の対象になる医療費とは

これに加えて
医師等の診療、治療等を受けるために直接かつ通常必要な費用が医療費に含まれます。たとえば通院費用、医師の送迎代、入院の場合の部屋代、食事代、医療用器具等の購入/賃借の費用、また日常最低限の用を足すための義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯等の費用があります。
この質問の防ダニ布団の購入費用は、医師等の治療を受けるために直接かつ、通常必要な費用には当たりませんので、医療費控除の対象にはなりません。

(07.07.18)

役員の給与@ 定期同額給与

役員のに対する報酬は以前(平成17年度)までは役員報酬、賞与、退職金と、その区分ごとに取扱いが定められていましたが、平成18年度の税制改正により役員給与として1本化されました。役員給与のうち退職金以外の給与については原則、つぎの3つのいづれかにに該当する場合で不相当に高額でない適正な金額のみ費用として認められることになりました。(平成18年4月1日以後開始する事業年度より適用)

このうち定期同額給与は次の5つの条件のいづれかに該当するものをいいます。

  1. 支給時期が1か月以下の一定期間ごとで、支給額が同じもの。
  2. 事業年度開始後3カ月以内に支給額が改定された場合・・・改定前の各支給額が同額かつ改定後の各支給額が同額であるもの。
  3. 経営の著しい悪化により支給額を改定した場合・・・改定前の各支給額が同額かつ改定後の各支給額が同額であるもの。
  4. 社宅などの無償または低額の家賃、金銭の無償または低利の貸付、保険料などの毎月おおむね一定である経済的利益
  5. 臨時改定事由により改定された場合・・・改定前の各支給額が同額かつ改定後の各支給額が同額であるもの。
    (平成19年4月1日以後開始する事業年度より適用。)
    臨時改定事由:職務上の地位の変更(平取締役→社長)、職務上の内容の重要な変更(組織再編による職務内容の大幅な変更)、その他やむを得ない変更

(07.07.20)

確定申告(確定申告不要とされる一時所得):1か所からの給与(年収800万円)のみのサラリーマンです。生命保険の満期に伴い、満期返戻金500万円(支払保険料は420万円)を受け取りました。確定申告は必要ですか?

まず、1か所からの給与の支払いを受けるサラリーマンの場合

  1. 給与年収が2000万円以下
  2. かつ

  3. 給与所得と退職所得以外の所得金額が20万円以下である

ならば確定申告は不要です。(同族会社の役員、親族などが給与以外に貸付金の利息、不動産などの賃貸料を受ける場合を除く。)

また質問の満期返戻金は一時所得とされ
一時所得={(収入金額:500万円)−(収入を得るために支出した金額:420万円)−(特別控除額:50万円)}×1/2
=15万円で計算されます。
したがって上記1.給与収入800万円≦2000万円 かつ2.給与・退職所得以外の所得金額(この場合は一時所得)15万円≦20万円 となるので確定申告は不要ということになります。
2.については長期譲渡所得(たとえば取得から5年超のゴルフ会員権を売却した場合など)についても特別控除後に1/2した金額をもって20万円以下かどうかの判定をします。

(07.07.23)

社員旅行の取扱い

社員旅行の旅費については、その主催者、旅行の目的、規模、行程、従業員等の参加割合、会社(または事業主)と参加従業員の負担割合などにより、、福利厚生費として費用と認められる場合とそうでない場合とがあります。
次の2つの要件を満たす場合は福利厚生費と認められます。(参加者が受ける経済的利益には所得税は課税されません。)ただし、金額が多額で社会通念上一般的でない場合は参加者に対する給与とされ、所得税が課税されます。

  1. 期間が4泊5日以内であること。(海外旅行の場合は目的地での滞在日数によります)
  2. 全従業員のうち50%以上が参加していること。

また次の場合には従業員等に対する給与等とされ、所得税が課税されます。

(07.07.24)

確定申告:私と生計を一にしている母はその所有している居宅を3000万円で売却し、譲渡所得が2000万円あります。居住用財産の特別控除(3000万円)の適用を受けると所得はゼロになります。母を扶養控除の対象としても良いでしょうか?

扶養親族(この場合は母。)がその扶養者(この場合は私。)の扶養控除の対象となるのは、その扶養親族のその年の合計所得金額が38万円以下である場合です。
また、土地、建物などの分離課税の譲渡所得については各種特別控除の特例の適用をうけられ、譲渡所得金額から特別控除額を差し引くことができます。一方で、扶養親族のその年の合計所得金額は各種特別控除する前の金額(純損失または雑損室の繰越控除の適用がある場合には、その適用前の金額。)で計算することとされています。。
したがって、この質問の場合、合計所得金額は特別控除をする前の金額2000万円になります。合計所得金額が38万円超なので扶養控除の対象となりません。

(07.07.25)

青色事業専従者給与

原則、生計を一にする親族に支払う給料は必要経費にできません。しかし

  1. 不動産所得、事業所得、山林所得の得る事業を営む青色申告者が
  2. 青色事業専従者給与に関する届出書を所轄税務署に提出し
  3. その届出書に記載されている方法に従って、記載されている金額の範囲内で青色事業専従者に給与を支払った。
場合はその所得の計算上、必要経費となります。ただし、その金額がその労務に従事した期間、労務の性質、程度からみて相当であると認められる場合に限ります。

青色事業専従者とは次のいずれにも該当する人をいいます。

青色事業専従者に該当し、給与の支払いを受けている人は、控除対象配偶者または扶養親族とはなれないことに注意が必要です。

(07.07.26)

確定申告:過年分の国民年金が未払いになっていましたので、一括して払い込みました。全額をその支払った年分の社会保険料控除の対象としても良いですか?

社会保険料控除は、本人または本人と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき 社会保険料を支払った場合または給与から控除される場合に、その支払った金額または控除された金額を所得から控除できるものです。したがって、未払いとなっている保険料は控除の対象にはできません。
また、前納保険料は、その前納期間が1年以内のものであれば、その前納した年に全額控除できます。1年を超える場合は期間按分によりその年分の保険料を控除の対象とします。
質問の場合のように未払い分の保険料を一括して支払った場合には実際に支払った年分で、その支払った全額(延滞金は除きます。)を社会保険料控除として控除できます。過年分にさかのぼって控除することはできません。

(07.07.27)


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