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叶内理香
税理士
事務所


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今週の税務相談


税金に関する相談にコンパクトに答えていきます。


Q.消費税の免税事業者です。代金に消費税を加えてもよいですか?

A.基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1千万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除(免税事業者と言います。)されています。通常、事業者は消費者から預かった消費税から仕入れ先、外注先等に支払った消費税を差し引いたその差額の消費税を国に納めることになります。免税事業者の場合この差額分の消費税を納めなくてもよいことになります。これが俗に”益税”呼ばれているものです。この免税事業者の制度は徴収する側の事務の効率化という観点から設けられています。結果的に益税になってしまうものですので、免税事業者が消費税を代金にのせることに問題はありません。


Q.小売店の事業主です。ゴルフ会員権の売却損がでました。税金はどうなりますか?

A.ゴルフ会員権の売却損益は 売却価額−(取得費(買った時の金額、売買手数料、名義書換料)+売買手数料) から求められます。
ゴルフ会員権の売却損は他の所得(事業所得、不動産所得、給与所得など)と損益通算(黒字から赤字を差し引く)ことができます。したがってこの場合、小売店の事業所得が黒字であるならばその所得からゴルフ会員権の売却損を差し引くことができ、総所得金額が減ることになるので、所得税、住民税が減ることになります。事業所得が赤字である場合や損益通算した結果赤字となる場合はその損失金額を繰り越して翌年以降の所得から差し引くことになります。(青色申告者の場合)
ゴルフ会員権の売却損が損益通算できるのは、プレーする権利があることが条件です。ゴルフ場が倒産してプレーする権利が消滅するとほかの所得から差し引くことができなくなります。


Q.本屋の店主です。台風による雨漏りで商品がだいぶ傷み、正札ではとても売れません。棚卸資産の評価損は計上できますか?

A.棚卸資産は、その価額が単に物価の変動、過剰生産、建値の変更などの事情によって低下しただけでは評価損の計上はみとめられません。損失の見積もりであるにすぎない為です。
ただし、例外として次のような事実が生じた時はその事実が生じた日を含む年の12月31日現在の時価を取得価額として評価することができます。

  1. 棚卸資産が災害により著しく損傷したこと
  2. 棚卸資産が著しく陳腐化したこと。※陳腐化とは棚卸資産の物質的な欠陥がないにもかかわらず経済的な環境の変化に伴ってその価値が著しく減少し、今後回復しないと認められる次のような状態にあることを言います。
    @いわゆる季節商品で売れ残ったものについて今後通常の価額で販売することができないことが既往の実績その他の事情に照らして明らかであること。
    A当該商品とおおむね同様のものであるが型式、性能、品質等が著しく異なる新製品が発売されたことにより、当該商品を通常の方法により販売することができなくなったこと。
  3. 1、2に準ずる特別な事情(棚ざらし、破損、型崩れ、品質変化など)

したがって質問の場合は2に該当しますので評価損の計上が認められます。


Q.この度、当社では地震で被災した取引先に災害見舞金を送りました。交際費に該当しますか?

税法においては、交際費とはその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいいます。また、得意先等の社外の者の慶弔、禍福に際して支出する費用はこの”慰安、贈答その他これらに類する行為”のための費用に当たるので、交際費として取り扱います。
しかし、法人がその得意先等が被災したことにより、従前の取引関係の維持・回復を目的として、災害発生後相当の期間内に、得意先等に対して支出した災害見舞金は、交際費としないこととされています。
したがって、質問の場合の災害見舞金は交際費にあたりません。
ちなみに自社の製品等を扱う小売業者等に対して災害により滅失または損壊した商品と同種の商品を交換または無償で補てんした場合や、当該取引先の福利厚生費の一環として被災した従業員に供与されるために自社の製品を支給する場合もそれらに要する費用は交際費には該当しません。


Q.マンションの一室を事務所用に貸し付けました。消費税はとらないといけませんか?

原則として一戸建ての住宅、マンション、アパート、社宅、寮、貸間等の人の居住の用に供する家屋または家屋のうち居住の用に供する部分に係る家賃は消費税が非課税となります。
したがって、質問の場合には、賃貸借契約書において居住用として貸し付けた場合には、たとえ事務所用として使用していたとしても非課税となります。消費税をとる必要はありません。

Q.海外への転勤がきまりました。税金はどうなりますか?

通常、海外勤務等で出国する場合は、日本国内に住所がなくなり所得税法上、「非居住者」となり、出国後の所得については、日本に不動産所得があるなど国内源泉所得がある場合を除いて所得税は課されません。出国した年の所得については、出国までに確定申告書を所轄税務所長に提出しなければなりません。給与所得しかないサラリーマンの場合は会社で年末調整のような清算をしてくれますので、この確定申告は要りません。
また、出国後も国内に不動産収入があるなど国内源泉の所得に関して毎年確定申告する必要のある人は、本人に代わって申告、納付をする「納税管理人」を選定し、、「非居住者」の納税地の所轄税務署に「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出する必要があります。(出国後に必要が生じた場合は都度提出すればよいです。)この場合は、出国に際しての確定申告書の提出は必要なく翌年3月15日までに確定申告すればよいことになります。
住民税はその年の1月1日の居住者に対して前年の所得をもとにに課税されるものですから、「非居住者」となった翌年からは住民税は課税されないことになります。

Q.確定申告:個人事業を始めた主婦です。経費にできるものは何ですか?いつ扶養家族になれなくなりますか?

@ 個人事業主の経費について
まず、個人の生活費(飲食費など)や個人的な趣味のための費用は事業の必要経費にはなりません!
基本的に事業に関連して支払われた費用は、経費として認められ、収入から差し引くことができます。(会社でなくても個人事業主には経費が認められます。)
どのようなものが経費になるかですが、たとえば仕入、文房具、書籍代、振込手数料、交通費などです。
パソコン、ソフト代なども経費とすることができます。ただし、パソコンなどで、1つで10万円(税込)未満のものについては1度(1年)にすべてを経費とすることができますが、10万円を超えるものについては基本的に減価償却資産として決められた期間で毎年均等に少しずつ経費にしていかなければなりません。(3年で均等に減価償却できるものもあります。)
水道代、電気代、電話料、などの家事上の経費と事業用の経費が一体になって支出される費用(家事関連費)については、業務で使った額を明確に区分することができる場合はその部分を必要経費にすることができます。下記のように、合理的に按分する必要があります。
(事務所併用住宅の場合)
家賃・・・原則として床面積で按分する。
減価償却費・・・原則として床面積で按分する。
固定資産税・・・原則として床面積で按分する。
火災保険料・・・原則として床面積で按分する。
水道光熱費・・・床面積、家族と従業員数、電灯の数など合理的な基準で按分する。
自動車の減価償却費、保険料、税金、ガソリン代、修繕費等・・・走行距離など合理的な基準で按分する。
電話料金・・・使用割合によって按分する。大部分が業務の遂行上必要な場合だけ必要経費になる。
いずれの経費も領収書を保存して(ノートに貼る、綴っておくなど)おかなければなりません。
また、収入、経費の出入りが分かりやすいように、事業用の銀行口座などをもたれ、管理されることをお勧めします。
A 扶養家族から外れる時期
所得が38万円を超えた年は、扶養から外れることになります。配偶者の場合は“控除対象配偶者”という扶養の対象から外れることになります。
この場合の所得とは個人事業主の場合は(収入―経費)になります。(収入ではありません。また、青色申告している方は青色申告控除後の金額になります)
所得が38万円を超え76万円未満の場合は、“控除対象配偶者”の控除からは外れても“配偶者特別控除”の対象にはなってきます。(特別な場合を除く。)
これは、配偶者(奥さん)に所得がある場合でも、少額の所得であれば、少し控除してあげましょうというもので、この対象になっている場合は、所得に応じて配偶者(ご主人)の所得から、3〜38万円の控除を受けられます。
ちなみに、社会保険の扶養から外れる所得は個人事業主の場合は130万円になります。(詳しくは社会保険事務所などにお問い合わせください。)
個人事業主の場合、青色申告の届け出を税務署にされると良いと思います。帳簿づけや簡単な貸借対照表をつけなければいけませんが、65万円の控除を受けられるなどの特典があります。扶養控除の判定も65万円を控除した金額が38万円を超えるかどうかで判定されます。
詳しくは最寄りの税務署にお問い合わせください。



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